株テーマ:AIエージェントの関連銘柄
AIエージェント(Artificial Intelligence Agent)とは
AIエージェントとは、人工知能(AI)の技術を活用して自律的にタスクを実行するシステムやプログラムのことを指す。人間の指示や目的に応じて、情報の収集・分析・意思決定を行い、業務の効率化を促進する役割を担う。近年、企業の業務プロセスの最適化や生産性向上の観点から、多くの企業がAIエージェント技術の開発・導入を加速させている。
主要企業のAIエージェント戦略
ソフトバンクグループとオープンAIの提携
ソフトバンクグループとオープンAIは2025年2月に、企業向け最先端AI「クリスタル・インテリジェンス」の開発・販売に関するパートナーシップを発表した。ソフトバンクグループはオープンAIに年4500億円を支払い、傘下の企業に大規模導入するほか、合弁会社を設立し、日本の主要企業向けに独占販売を行う。クリスタル・インテリジェンスは、財務資料や契約書作成、顧客対応の自動化を可能にし、企業の業務効率化を支援する。
ブレインパッドの新会社設立
ブレインパッドは2025年3月に100%子会社「BrainPad AI Agent」を設立し、「BrainPad アノテーションエージェント」を皮切りに順次サービスを展開する。AIエージェント事業を数十億円規模へ成長させる計画だ。
NECのAIエージェント事業拡大
NECは2025年1月からAIエージェントを提供開始。第1弾として、経営計画や人材管理、マーケティング戦略の意思決定支援AIを導入した。今後、業務特化型のAIエージェントを拡充し、2025年度末までに生成AI関連事業で500億円の売上を目指す。
NTTデータグループの「SmartAgent」
NTTデータグループは「SmartAgent」という生成AI活用コンセプトを展開。2024年11月に営業領域向けAI「LITRON Sales」を提供開始し、データ入力や提案書作成、契約書作成の自動化を進めている。今後、適用領域を拡大する計画だ。
富士通の「Fujitsu Kozuchi AI Agent」
富士通は2024年10月に「Fujitsu Kozuchi AI Agent」の提供を開始。会議AIエージェントを導入し、損益や商談に関する打ち合わせでの情報共有や施策提案を行う。また、生産管理や法務向けのAIエージェントを順次拡大する。
SCSKは2024年9月に「SCSK-Multi AI Agent Office」構想を発表し、自律型AIエージェントの概念実証を開始した。特化型AIが協調して業務遂行する仕組みを構築し、バックオフィスやシステム開発・運用業務への適用を目指す。
リコーの対話型AI「ぐりん」
リコーは、Edoが岐阜県飛騨圏域で運営する中高生向け探究スクールで活用されている対話型AIサービス「ぐりん」にAIエージェント技術を提供。教育分野でのAIエージェント活用を進めている。
現在、AIエージェントは企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させる要素として注目を集めている。特に、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)や生成AIと組み合わせることで、企業の業務自動化やデータ活用が一層進展すると見られる。
また、国内外の主要IT企業がこの分野に巨額の投資を行っており、日本市場においても今後の成長が期待される。特に、ソフトバンクグループやNEC、NTTデータグループ、富士通などの国内大手企業が展開するAIエージェント技術が、業界標準となる可能性が高い。
AIエージェント関連株は、今後も市場の注目を集めるテーマ株となりそうだ。