株テーマ:サカナAIの関連銘柄

サカナAIは、東京を拠点とするAIスタートアップであり、2023年7月に設立された。同社は、AI技術の革新と効率化を目指し、短期間で多くの注目すべき成果を上げている。

進化的モデルマージによるAI開発の革新
サカナAIは、既存の複数のAIモデルを組み合わせ、新たな高性能モデルを生成する「進化的モデルマージ」という手法を開発した。この手法により、大量のデータや高性能なハードウェアに依存せず、短期間かつ低コストで高性能なAIモデルの開発が可能となった。例えば、日本語モデルと数学特化モデルを統合し、日本語で数学問題を解答できるモデルの構築に成功している。

小規模高性能モデル「TinySwallow-1.5B」の開発
さらに、サカナAIは新たな知識蒸留手法「TAID(Temporally Adaptive Interpolated Distillation)」を活用し、小規模ながら高性能な日本語言語モデル「TinySwallow-1.5B」を開発した。このモデルは、約32億パラメータの大規模モデルから1.5億パラメータの小規模モデルへ知識を効率的に転移することで、同規模のモデル中で最高水準の性能を達成している。また、スマートフォンやPC上でオフライン動作が可能なウェブアプリ「TinySwallow ChatUI」も提供しており、ユーザーはAPIを介さずに利用できる。

AI CUDA Engineerによる処理速度の飛躍的向上
2025年2月20日、サカナAIはAIを活用してAI開発を効率化するエージェント「AI CUDA Engineer」を発表した。このエージェントは、NVIDIA製GPUの性能を最大限に引き出すため、AI開発者が書いたコードを自動的に最適化し、処理速度を10倍から100倍に向上させることが可能である。具体的には、PyTorchのコードをより効率的なCUDAカーネルに自動変換し、行列積算では54倍、3D画像処理と正規化を組み合わせた演算「Conv3d_GroupNorm_Mean」では128倍、画像認識ネットワーク「LeNet5」全体では2.4倍の高速化を実現している。

資金調達と今後の展望
サカナAIは、設立からわずか数か月で急速な成長を遂げ、日本で創業された企業として最速でユニコーン企業(企業価値10億ドル超の未上場企業)となった。2024年9月には、シリーズAラウンドで約300億円の資金調達を実施し、NVIDIAとの資本提携も発表している。この提携により、研究協力やデータセンターへのアクセス、日本のAIコミュニティーの発展を目指している。

サカナAIの共同創業者でCOOの伊藤錬氏は、東京をAI開発の世界的拠点とするためには、「米西海岸とその他」という視点で考え、シリコンバレー以外の場所で活躍したい研究者を東京に集めることが重要であると述べている。また、同社はオープンソースのコミュニティに積極的に貢献し、東京のAIエコシステムの発展にも寄与していく方針である。

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