株テーマ:うどんの関連銘柄
うどん業界、競争激化で業界地図が塗り替わる
うどん業界の競争が激化している。大手外食チェーンが相次いでうどん事業に参入し、業界の勢力図が大きく変化しつつある。
(3397)トリドールホールディングスは、焼き鳥店から始まった企業だが、2000年代にセルフうどん店「丸亀製麺」へと業態をシフトした15。この戦略転換が功を奏し、トリドールは急成長を遂げた。現在、丸亀製麺は国内850店舗以上を展開し、うどんチェーン業界でトップの座を占めている。
一方、(8163)すかいらーくホールディングスは、2024年9月に福岡県を中心に展開する「資さんうどん」を240億円で買収すると発表した28。すかいらーくは、この買収によってうどん市場への本格参入を果たし、地方ロードサイド店舗の新たな展開先として活用する方針だ6。
うどん業界では、(9861)吉野家ホールディングス傘下の「はなまるうどん」も主要プレイヤーとして存在感を示している10。しかし、近年は業績が低迷し、不採算店舗の閉鎖や既存店の収益改善に取り組んでいる。
業界の競争激化の背景には、セルフうどん店の浸透がある。セルフ方式の導入により、人件費の抑制と回転率の向上が可能となり、低価格で高品質なうどんの提供が実現した。
うどん業界は、低価格で提供できるため不況に強く、安定した需要が見込める業態だ。また、調理のオペレーションが比較的シンプルで、食材のコスト管理もしやすいことから、多くの外食企業が注目している。競争が激化するなか、丸亀製麺のさらなる海外展開や、すかいらーくによる全国戦略が今後の市場の行方を左右する。