株テーマ:砲弾・銃弾・機雷の関連銘柄
旭精機工業は防衛省向け小銃弾が売上の2割を占める。ダイキンは大阪金属工業所として創業し、呉海軍工廠にも納入実勢があり、現在は陸海空自衛隊用の砲弾・誘導弾用弾頭・航空機部品などを設計、製造する。戦車砲用演習弾などが主力。日油は弾頭炸薬、ミサイル填薬、 砲弾填薬 など防衛用火薬を製造している。細谷火工は火薬・爆薬・発煙筒を手掛け、防衛省や海上保安庁が主な取引先で、民間も防衛関連企業との取引が多い。石川製作所は機雷を製造。
自衛隊の弾薬不足に対処するため、国主導で量産体制を整備する。弾薬に使う火薬の生産工場を建設し、製造技術を持つ防衛産業に貸し出して生産委託するようだ。海外から火薬を輸入する案を検討していたが、ロシアのウクライナ侵攻で調達の目処がたたず、23年度に国内工場稼働を目指す。火薬の製造では日油、砲弾ではダイキン工業の存在感が大きい。
ダイキンは、陸上自衛隊・海上自衛隊向けの砲弾を製造しており、小さいものでは口径40mmから大きいものでは127mmまで幅広いサイズの砲弾を作っている。陸上自衛隊向けの主力は戦車砲用徹甲弾および訓練弾で、81mm迫撃砲弾、40mm自動てき弾銃用弾薬、84mm無反動砲用弾薬などがある。昭和32年から現在に至るまで、永年にわたり火砲弾薬を安定的に供給しており、令和3年には近畿中部防衛局長から感謝状を贈呈されている。
米国は、陸軍の工廠で製造する155ミリ砲弾に必要なトリニトロトルエン(TNT)の調達を日本企業に打診したと、ニューズウィークが報じている。
「20式5.56mm小銃」の銃弾製造メーカーは、(6111)旭精機工業だ。2025年3月期第2四半期(中間期)には、14億5300万円(+ 116.9%)の売上を計上している。日本唯一の小口径銃弾メーカーで、約12万丁製造された「89式5.56mm小銃」の専用弾薬として使用されている。口径が同じであるため、旭精機工業は陸上自衛隊の需要に応じた相当量の5.56mm普通弾を継続的に製造していると考えられる。陸上自衛隊の需要を満たすために年間数億発レベルの生産を行っていると推測される。旭精機工業の防衛関連事業売上は同社の重要な収益源であり、年間20億円前後の規模で安定的に推移している
細谷火工の主な防衛関連製品は、訓練用および救命用の防衛装備品だ。インフレータと呼ばれるガス発生装置でエアバッグを膨らませ、航空自衛隊パイロットの救命胴衣や高所作業者の転落対策に用いられるエアバッグで活用されている。