株テーマ：カレーの関連銘柄
カレーチェーン業界の動向と主要企業の戦略
カレーチェーン業界は、手軽さと高い満足度を武器に安定した需要を維持している。しかし、外食産業全体で進むコスト上昇の影響を受け、原材料費や人件費の高騰が経営の課題となっている。近年は、高付加価値化やデジタル化の推進、海外市場の開拓といった戦略が各社で進められている。
業界全体のトレンド
価格改定とコスト上昇対策 – 小麦やスパイス、牛肉などの原材料価格が上昇しており、各社はメニューの値上げや業務効率化を進めている。
デジタル化の推進 – モバイルオーダーやデリバリー対応を強化し、利便性を向上させる動きが広がっている。
プレミアム化・専門化 – 高価格帯のカレーや、特定の食材にこだわった専門店の展開が進んでいる。
海外市場の拡大 – 特に東南アジアを中心に、日本のカレーブランドの認知度が高まっており、積極的な海外展開が進められている。
主要企業の動向
（7630）壱番屋は、「カレーハウスCoCo壱番屋」を運営する国内最大手。全国約1,200店舗を展開し、トッピングの多様性や豊富なメニューで幅広い層を取り込んでいる。近年は、海外展開を加速しており、東南アジアを中心に市場拡大を進めている。また、宅配やテイクアウト需要の取り込みにも力を入れており、モバイルオーダーの強化を推進している。
（9850）グルメ杵屋は、「カレーうどん千吉」などのブランドを展開し、和風カレーの需要を取り込んでいる。うどん業態との組み合わせで独自のポジションを確立しており、ファミリー層を中心に支持を集めている。
（9828）元気寿司は、カレー専門業態「カレーショップC&C」を展開。駅ナカや商業施設に出店し、スピーディーな提供でビジネス層を取り込んでいる。価格帯もリーズナブルで、日常的な需要に対応している。
（3387）クリエイト・レストランツ・ホールディングスは、カレー専門店「カレー倶楽部ルウ」などを展開し、個性的なブランド戦略を取っている。特に、地域ごとの特色を生かしたカレーを提供することで、差別化を図っている。
今後の展望
カレーチェーン業界は、安定した市場であるものの、原材料価格の上昇や競争の激化により、各社は経営効率化を求められている。今後は、デリバリーやテイクアウト対応の強化、高価格帯のカレーの導入、海外展開の拡大が成長のカギを握るだろう。特に、日本のカレー文化が海外でも人気を集める中で、グローバル展開を強化する企業の動向に注目が集まる。
