株テーマ:焼肉の関連銘柄
焼き肉業界の動向と主要企業の戦略
焼き肉業界は、外食市場の回復に伴い堅調に推移しているものの、原材料費の高騰や人件費の上昇といったコスト負担が重くのしかかっている。一方で、高級路線を打ち出す企業やDX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した経営効率化を進める動きも活発だ。主要企業の戦略を追いながら、業界の今後の展望を探る。
価格高騰の影響と消費者動向
牛肉価格の上昇は焼き肉業界全体に影響を与えている。特に輸入牛肉の仕入れコストが上がっており、低価格路線を強みとしてきたチェーン店は対応を迫られている。消費者側も物価高の影響を受け、価格に敏感になっているが、特別な日やご褒美消費としての焼き肉需要は依然として根強い。
また、焼き肉業態の強みとして「1人焼き肉」「個室型焼き肉」などの新たなスタイルが注目されており、コロナ禍で拡大した少人数利用の流れをうまく取り込んでいる企業も多い。
主要企業の動向
(2753)あみやき亭は、原材料の仕入れに強みを持ち、コスト上昇を抑える戦略を継続している。郊外型店舗を中心に展開し、家族連れをターゲットに安定した集客を維持している。
(2695)くら寿司は焼き肉業態「無添蔵」への投資を進め、すしと焼き肉の融合業態を試験的に展開している。回転ずし業界の競争が激化する中、新業態へのシフトを模索している。
(9850)グルメ杵屋は、焼き肉業態「焼肉屋さかい」を展開し、コスト管理を徹底しながら高品質な食材を提供する戦略を取っている。海外展開も視野に入れており、新たな成長ドライバーを模索している。
今後の展望
焼き肉業界は、コスト高の影響を受けながらも、依然として外食市場の中で根強い需要を持つ業態だ。特に、単価向上を狙った高級焼き肉路線や、個室・1人焼き肉などの新たなスタイルが成長のカギとなるだろう。デジタル注文システムの導入や、オペレーションの効率化を進める企業が優位に立つ可能性が高い。