株テーマ:再生医療の関連銘柄
再生医療関連株。再生医療関連では、2014年11月に日本で医療品医療機器法が施行。再生医療薬が承認を得られるまでにかかる期間が約7年から2~3年に短縮され、世界で最も早く実用化できるようになった。治験期間の短縮や治験費用の削減が期待でき、日本での再生医療向けの薬を開発する動きが活発化し、再生医療の世界的な研究開発拠点になる可能性がある。また、経済産業省によると、再生医療のグローバルでの市場規模は、2030年に約5~10兆円としており、今後巨大市場に成長することが見込まれる。
JCRファーマとシスメックスは、2022年10月に幹細胞やその他相棒を用いた再生医療等製品の研究開発、製造、販売を行う合弁会社を設立した。
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所は、2022年6月にアクチュアライズが開発中の角膜内皮障害を対象とした再生医療用細胞製品「AE-101」で共同開発と資本提携すると発表。日本で臨床試験を始める予定で早期の製造販売承認取得を目指す。
セルロースは、2022年6月にアニコムHDと業務提携を開始。動物医療領域での血液加工技術等を利用した治療法をはじめとする再生医療等関連事業の拡大を目指す。セルソースは、ヒト医療における脂肪由来幹細胞や血液の加工受託を行う再生医療関連事業を展開しており、アニコム HDは、アニコム損保を子会社に持つペット保険大手で、動物再生医療技術研究組合を設立し、間葉系幹細胞を用いた治療の実用化に向けた臨床研究を実施してきた。
リプロセルは歩行障害や嚥下障害などで日常生活が不自由となる脊髄小脳失調症を対象とした再生医療製品「ステムカイマル」の開発を進める。第2相臨床試験を実施しており、2020年2月に第1例目の被験者への投与を開始。2021年5月に全被験者への投与を完了した。
三菱ケミカルホールディングスは、Muse細胞を利用した再生医療開発を進める。心筋梗塞や肝硬変など損傷した組織を修復する効果が期待されている。2018年2月に急性心筋梗塞、2018年9月に脳梗塞、2018年12月に表皮水泡症、2019年7月に脊髄損傷、2021年1月にALS、2021年4月に新型コロナに伴う急性呼吸窮迫症候群を対象とした臨床試験を開始している。
アイロムグループは、エネルギーを消費して痩せやすい身体を作る褐色脂肪細胞を増やして体内に戻す肥満症に対する治療への使用を2019年12月に開始した。褐色脂肪細胞は加齢と共に減少するため、年齢が上がると痩せにくくなる。アイロムグループと国立国際医療研究センターは褐色脂肪細胞を大量に増やす技術を開発。体内の褐色脂肪細胞を増やすことで肥満症の治療や肥満予防などにつなげる。
ペプチドリームは2020年4月に三菱商事と細胞治療・再生医療等製品の製造等に使用される細胞培養向け培地の重要成分である成長因子を代替するペプチドの開発・製造・販売を行う合弁会社ぺプチグロースを設立。2022年をめどに最初の製品発売を目指す。
ステムリムの再生誘導医薬開発品「レダセムチド」は、脳梗塞や脊髄損傷、心筋梗塞、難治性皮膚潰瘍など多くの難病治療に期待され、塩野義製薬に導出している。変形性膝関節症では、2021年2月に第2相臨床試験で第1例目の被験者への投与が実施。実施期間は2022年12月までを予定する。慢性肝疾患では、2021年3月に第2相臨床試験で第1例目の被験者への投与が実施。2023年2月に終了する予定。
デンカが東大と商用製剤生産技術の開発を進めてきたがん治療用ウイルスG47Δ製剤「デリタクト」について、再生医療品として2021年6月に、第一三共が製造販売承認を取得した。「デリタクト」は、悪性度が高い悪性神経膠腫を対象として世界で初めて承認されたがん治療用ウイルス製剤で生産はデンカに委託する。先駆け審査指定品目で、希少疾病用再生医療等製品とされていた。正常な細胞は攻撃しないため副作用が少ないとされている。
サンバイオは、2022年3月に再生細胞薬「SB623」の慢性期外傷性脳損傷プログラムで厚労省に再生医療等製品製造販売承認申請を行った。JCRファーマは再生医療製品「テムセルHS注」を販売。ジャパンティッシュエンジニアリングは2021年6月に自家培養口腔粘膜上皮「オキュラル」の製造販売承認を取得、自家培養軟骨「ジャック」や自家培養表皮「ジェイス」も販売。ジェイテックコーポレーションは再生医療分野における受託研究開発を展開。
日揮 HDは、歯や骨の再生医療に使うリン酸八カルシウム(OCP)の量産を開始したと発表した。歯の治療向けに国内の医療機器メーカーに出荷し、2030年に売上高20億円を目指す。