株テーマ:MRAM(磁気メモリー)の関連銘柄

近年、半導体業界ではMRAM(磁気抵抗メモリ)技術の開発が急速に進展しており、主要企業や研究機関がその量産化に向けた取り組みを加速させている。MRAMは、高速で省電力な特性を持つ次世代不揮発性メモリとして注目されており、従来のフラッシュメモリやDRAMに代わる新たな標準となる可能性がある。特に、電源を切ってもデータが消えない不揮発性と、高速な読み書き性能を兼ね備えている点が特徴である。

(8035)東京エレクトロンは、東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センター(CIES)と共同で、STT-MRAMの製造装置技術の開発を進めている。この取り組みは、次世代メモリデバイスの製造技術確立を目指しており、1.5nmノード以降の微細加工技術の研究も含まれている。CIESでは、175℃の耐熱性を持つ20nmのMRAMの実証に成功しており、車載向けMRAMの実用化に向けた重要な一歩となっている。

また、東北大学とアイシンは、MRAMを主要メモリとして活用した低消費電力AIアクセラレータの開発を行っている。このアクセラレータは、従来のSRAMと比較して面積効率と電力効率の両面で優れており、待機電力や動作電力を大幅に削減できる。さらに、MRAMの不揮発性により、システムの起動時間を短縮する効果も確認されている。

(6723)ルネサスエレクトロニクスは、マイコンに搭載するMRAM向けの高性能技術を開発しており、フラッシュメモリを代替するマイコン製品の製品化を視野に入れている。これにより、次世代のマイコン市場における競争力を高めることが期待される。

MRAMの量産化を支える製造技術の進展も重要である。(8035)東京エレクトロンやキヤノンアネルバなどのスパッタリング製造装置メーカーが、MRAM向けの製造装置を開発・販売しており、これによりMRAMの生産効率が向上し、市場における競争力が一層強化されることが期待される。

MRAMはその特性から、スマートフォン、車載機器、データセンターなど、幅広い分野での利用が期待されている。特に、データセンターでは省電力化が重要課題となっており、MRAMの導入が大きな効果をもたらすと見込まれている。市場予測によれば、MRAM市場規模は2024年に20億1,000万米ドルと推定され、2029年までに225億8,000万米ドルに達すると予測されており、予測期間中に62.12%の年平均成長率(CAGR)で成長するとされている。

このように、MRAM技術の進展と量産化に向けた取り組みは、半導体業界全体の革新を促進し、次世代のメモリ市場における重要な役割を果たすと期待されている。

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