株テーマ:5G基地局:ミリ波対応フィルターの関連銘柄
5G:基地局向けミリ波対応フィルター増産へ
●2020年7月3日、移動通信の標準化団体「3GPP」が、5G仕様の標準化を完了した。これにより車載や産業機器へ応用で重要な「ミリ波センサー」などの5G対応部品の量産が加速する。
●ミリ波とは、周波数帯が30GHz~300GHzと非常に高く、波長が1~10mmとなることから、ミリ波と呼ばれる。ミリ波は電波でレーダーのように扱うことが出来、直線性が強いため天候や明るさに左右されず検出出来る。短波長で0.1mm単位の動きを検出出来るほど高精度で、無線アンテナを小型化し、基板面積を小さくすることも出来る。
●自動運転やドローンに欠かせない技術なるが、5G基地局でも重要な位置を占める。
・バンドパスフィルター
TDKは、5Gの28GHz帯に向けて、小型で表面実装可能な帯域通過型周波数フィルター(バンドパスフィルター)を開発し、基地局への搭載を念頭に量産を開始した。特定の周波数のみを抽出し、他の周波数は通さない。
6762TDK
6838多摩川 HD
・LCフィルター
特定の周波数を通したり、高周波ノイズを選択的に除去する受動素子
6981村田製作所
6864エヌエフ回路設計ブロック
・SAWフィルター
必要な周波数の電波を受信し送信するために使われる表面弾性波フィルター。TDKはSAWフィルターを業界最速で実装する「AFM―1520」を開発した。5GスマホでSAWフィルターの搭載が増えると、出荷が間に合わない危機感がある。
・セラミックフィルター
京セラと宇部興産は、5G通信基地局用のセラミックフィルタ事業の合弁会社「京セラ宇部RFテック株式会社」を設立している。比較的広範囲をカバーするマクロセル基地局と、スポット的に超大容量のデータ通信に対応するスモールセル基地局があるが、セラミックスを用いることで、より高出力で小型化が可能なことから、特にマクロセル基地局において、金属製フィルタをセラミックフィルターで代替する。