株テーマ:認知症(アルツハイマー)の関連銘柄
認知症(アルツハイマー)関連株。世界の認知症患者数は2025年に6000万人強に達する見通し。WHOは世界のアルツハイマー患者数が2019年に5520万人、2050年には1億3900万人になる見通しを示している。
厚生労働省は、認知症患者数が2040年に584万人となる見通しを示した。また、経済産業省によると、仕事と介護を両立するビジネスケアラーは2030年時点で約318万人となり、経済損失は年9兆円にのぼるという。政府は厚労省の推計を踏まえ、2024年秋をめどの施策の基本計画を策定する方針。
エコナビスタは、2024年7月にエーザイと認知症領域でのエコシステム構築を目指し業務提携。高齢者施設の入居者に対して認知機能の変化に対する気づきを促す実証実験を進める。将来的には、健常な高齢者を対象にしたMCI・認知症発見の早期化に向けた共同研究や認知症予測モデルの在宅介護領域における適用可能性などの検討を進める。
武田薬品工業は、2024年5月にアルツハイマー治療薬候補でスイスのACイミューンとライセンス契約を締結。ACイミューンが開発中の「ACI-24.060」は脳内プラークを除去し、かつプラーク形成を効果的に抑制することで、アルツハイマー病の進行を遅らせる可能性があるとしている。臨床第1b/2相試験を実施している。
ファンペップは、2023年11月にアルツハイマー病ワクチンの研究を開始すると発表した。大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学寄付講座との共同研究により、タウ伝播を抑制する抗リン酸化タウ抗体誘導ペプチドの研究開発を行い、アルツハイマー病に対する新規根本治療薬開発を目指す。
エーザイは、米バイオジェンと開発したアルツハイマー治療薬「レカネマブ」が2023年に米国と日本で承認を取得した。
富士フイルムHDは、軽度から中程度のアルツハイマー型認知症治療薬「T-817MA」を開発。2019年12月には欧州で臨床第2相試験を開始。2017年7月には米国第2相試験で罹病期間が短い患者の認知機能低下の進行を抑制するなどの効果を確認したと発表した。
塩野義製薬は、認知機能改善候補「BPN14770」を開発する米テトラと戦略提携。テトラの「BPN14770」は記憶形成に関わるPDE4Dを標的とするもので、これまで開発されてきたPDE4D阻害薬でみられる嘔気等の副作用を回避しつつ、認知機能を改善することが期待される。また、非臨床試験でアルツハイマー型認知症や脆弱X症候群の動物モデルで認知機能障害への改善効果が確認されている。2020年11月に米国での第2相臨床試験で良好な結果を得たと発表した。
ネクセラファーマの「HTL16878」は、若年/高齢の健常者を対象とした第1a相試験を完了し、ヒトでの安全性・忍容性を確認。アルツハイマー認知症や統合失調症など神経疾患の治療に革命を起こすファースト・イン・クラスの医薬品となる可能性があるとしている。
・認可中の認知症治療薬
アリセプト(エーザイ)
レミニール(武田薬品工業)
イクセロンパッチ(ノバルティスファーマ)
リバスタッチ(小野薬品工業)
メマリー(第一三共)
・開発中認知症治療薬候補
BPN14770(塩野義製薬)
・関連銘柄
4564オンコセラピー・サイエンス
協和キリンにアルツハイマー対象の抗体医薬を導出
4586メドレックス
アルツハイマー治療テープ剤の治験
2158FRONTEO
会話型認知症診断支援AI
FRONTEOは、AI医療機器「会話型 認知症診断支援AIプログラム」の米国・欧州・中国・韓国における独占的開発・販売契約を、慶應義塾と締結した。
・アミロイドベータ
6869シスメックス
シスメックスとエーザイは、2020年11月のアルツハイマー病臨床試験会議で、血液による簡便なアルツハイマー病診断法の創出に向けた学術報告を行っており、アルツハイマー関連として物色されているようだ。シスメックスとエーザイは2016年2月に、認知症領域に関する新たな診断薬創出に向けた非独占的包括契約を締結していた。血液による簡便なアルツハイマー病診断法の創出として、シスメックスの全自動免疫測定装置「HISCL」を用いて測定した血漿中のアミロイドベータを予測性能に役立てる。
7701島津製作所
血中のアミロイドベータを測定する「アミロイドMS CL」が2020年12月に医療機器承認を受けている。