株テーマ:小水力発電の関連銘柄
日本国内で注目が高まる小水力発電。水路や河川などの既存インフラを活用することで、大規模な開発を必要とせず、環境負荷の低い再生可能エネルギーとして期待されている。国も新規開発された中小水力発電の電力を1キロワット時あたり20円~34円で買い取る制度を整備しており、事業者にとって魅力的な市場となっている。
国内における小水力発電の潜在導入量は1,400万キロワットとされ、これは原発14基分に相当する。年間を通じて安定した発電が可能で、設備利用率が高い点も他の再生可能エネルギーと比べて強みだ。さらに、固定価格買取制度(FIT)やプレミアム価格制度(FIP)を活用することで、一定の収益性が確保しやすい。
こうした市場環境の中、東急不動産ホールディングスが小水力発電事業への本格参入を発表した。同社は2030年までに500億円以上を投資し、発電能力を30メガワット程度まで拡大する計画だ。都市開発や不動産事業で培ったノウハウを活かし、地域資源を有効活用する新たな事業展開を進める。
また、小水力発電市場の拡大に伴い、関連企業にも注目が集まっている。
1968 太平電業:水力発電設備の建設・メンテナンスで実績を持つ。
1945 東京エネシス:再生可能エネルギー関連設備を手掛ける。
1434 JESCOホールディングス:小型水力発電システムの提供を行う。
今後、国内の再生可能エネルギー政策の動向とともに、小水力発電市場の成長が加速する可能性がある。東急不動産ホールディングスの参入は、この分野の発展を後押しする重要な一手となりそうだ。