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【バイポーラ型蓄電池】
古河電池と古河電工が、実用化困難とされていた次世代型蓄電池「バイポーラ型蓄電池」を共同開発したと発表し、サプライズとなっている。「バイポーラ型鉛蓄電池」は、1枚の電極基板の表と裏にそれぞれ正極と負極を有するシンプルな構造が特徴で、材料削減が可能であり、体積当たりの容量の向上により重量エネルギー密度は従来の鉛蓄電池の約2倍となる。2021年度中に古河電池いわき工場で月最大200キロワット時規模のサンプル品を製造、2022年度から電力会社などに製品を出荷する予定となっている。佐賀県上峰町と九州電力グループの連携協定における「EVを中心としたまちづくりプロジェクト」に、バイポーラ型鉛蓄電池を供給することとなった。
ターゲットは電力貯蔵用蓄電池市場で、長周期向け電力貯蔵用電池の世界市場規模は、2017年時点で2000億円だが、2030年には8000億円まで拡大する見込み。太陽光発電など再生可能エネルギーの導入拡大で高効率の蓄電池の需要が高まっているため、電力会社などへの納入を目指す。リチウムイオン電池と比べてトータルコストを半減できる。
トヨタ自動車は、2021年7月19日発売の新型アクアに「バイポーラ型ニッケル水素電池」を駆動用車載電池として世界初採用した。従来型のアクアより、バッテリー出力が約2倍向上。アクセル操作への応答性も向上し、低速からリニアでスムースな加速が可能になった。バイポーラ型ニッケル水素電池はトヨタと豊田自動織機のノウハウを合わせて開発した。