株テーマ:がん免疫療法の関連銘柄
がん免疫療法関連銘柄。がん免疫療法は、体内で発生するがん細胞を異物とみなし、免疫機能を使って排除する治療法。がん治療は手術、放射線治療、薬物療法の3大治療があるが、がん免疫療法は効果が長時間持続することや他のがん治療に比べて副作用の報告が少ないことから、第4の治療法として注目されている。
武田薬品工業は、2019年11月に米がん研究機関のMDアンダーソンがんセンターと提携し、他人の臍帯血由来の細胞で培養する免疫細胞を使ったがん免疫薬を開発しており、2021年度中に主要臨床試験を開始する予定。また、京都大学iPS細胞研究所との共同研究成果を継承し、iPS細胞を使った新しいがん免疫療法の開発を進めており、2021年に臨床試験の実施を計画する。
アステラス製薬は、血液がん向けに2021年から治験準備に着手し、2022年にも治験を行う計画。
第一三共は、米ギリアドのがん免疫薬の日本での開発・製造販売を担い、近く承認される見通し。2020年10月にはがん免疫療法製剤「DS-1055」で切除不能な固形がん患者を対象とした第1相臨床試験を開始した。
そーせいグループは、2015年にアストラゼネカとがん免疫療法の開発でグローバルな提携契約を締結。5億ドル(約565億円)の開発及び販売マイルストンと、販売高に応じた最大2桁比率の段階的なロイヤリティを受領する。候補薬「AZD4635」では、2019年1月にアストラゼネカが第2相臨床試験を開始している。
テラは、がん免疫療法の1つで、がん細胞のみを特異的に攻撃できる樹状細胞ワクチン療法で、2022年度内の薬事承認申請を目指す。上市後の想定マーケットは、国内膵臓がん罹患患者数である3万4700人のうち、年間5000人以上と見込んでいる。
小野薬品工業は、臓器がん向けのがん免疫細胞の開発を進める。2016年にはベルギーのセリアド社から「CAR-T細胞」を用いるがん免疫療法で、日本と韓国、台湾で独占的に開発・販売する権利を取得した。
メディネットは、国立がん研究センターとがん抗原タンパク質の1つであるHSP105に関連した新たながん免疫療法の実用化に向けて共同研究を進める。新日本科学は、九州大学とがん免疫分野での新薬開発の実現に向けた基礎的研究を進める。