注目銘柄

    注目銘柄 2020/2/23 08:49
    (4901) 富士フイルム HD 富士フイルム 富山化学のインフルエンザ治療薬「アビガン」を新型肺炎患者に投与
    2月16日、中国政府は新型ウイルス対策として、富士フイルム傘下の富山化学のインフルエンザ治療薬「アビガン」に含まれる「ファビピラビル」を成分とした薬の生産を始めた。2月22日の読売新聞が「アビガン」が「新型肺炎治療薬として有望でアビガンの投与を政府が推奨する方針を固めた」の報道を受けて、朝の民放情報番組に生出演した加藤厚労相に対して、辛抱キャスターが「一部報道は事実か」とただしたところ、加藤厚労相は、「アビガンを含めてあらゆる可能性を追求している」と肯定的にコメントした。

    この後加藤厚労相は「アビガン」を新型肺炎患者に対して、国内の2カ所の医療機関で投与したことを認めた。神奈川県は県内医療機関で「アビガン」の投与を認めるよう国に要請したという。


    ●「アビガンファビピラビル)」は富士フイルム富山化学が2012年3月に錠剤タイプの新しい抗インフルエンザウイルス薬として製造承認を受けており、他の抗インフルエンザ薬が無効又は効果不十分である場合に備える。成人にはファビピラビルとして1日目は1回1600mgを1日2回、2日目から5日目は1回600mgを1日2回経口投与し、総投与期間は5日間とされている。

    アビガン」は、ウイルスの細胞内での遺伝子複製を阻害することで増殖を防ぐもので、鳥インフルエンザウイルスにも動物実験で有効が確認されている。2016年6月には、ギニアのエボラ出血熱対策を目的とした日本政府からの緊急無償資金協力の調達物資に採用され、政府が2000人分を購入して、ギニア政府に提供した。細菌感染症には効果がなく、副作用が強く重症者にしか使えないという医療関係者の指摘もあるが、既に200万人分の備蓄があり、現時点では有望な新型肺炎治療薬として期待される。


    厚生労働省は、MERS(中東呼吸器症候群)に対して、米国立アレルギー・感染症研究所が予防・治療効果があったとしている抗エボラ出血熱薬「レムデシビル」や、HIV感染症の治療として使われる抗HIV薬の中でも、プロテアーゼ阻害薬として知られる「カレトラ」の投与も検討している。

    WHOの治療薬研究開発チームは抗HIV薬「ロピナビル」と「リトナビル」を組み合わせたものと、抗ウイルス薬「レムデシビル」を試験しており、結果は3週間以内に判明するとしている。

株式情報更新 (11月23日)


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