ドイツの与野党が債務抑制策の緩和で合意したことを受け、財政拡張による欧州景気の押し上げ効果に対する期待が高まっている。この動きを背景に、日本市場ではドイツ関連株として（6141）ＤＭＧ森精機が注目されている。

ドイツはこれまで財政規律を重視し、「債務ブレーキ」と呼ばれる厳格な財政制限を設けてきた。しかし、景気刺激策やインフラ投資の必要性が増す中、与野党はこの制限を一部緩和することで合意。これにより、公共投資の拡大や企業支援策が打ち出される可能性があり、製造業や工作機械分野への資金流入が期待される。

ＤＭＧ森精機は、ドイツの工作機械大手ギルデマイスターと統合し、欧州での事業基盤を強化してきた。同社の売上の大部分が欧州向けであり、ドイツ市場の需要回復が業績に好影響をもたらすと見られる。特に、製造業の設備投資が活発化すれば、同社の主力であるCNC旋盤やマシニングセンタの販売が伸びる可能性が高い。

また、欧州全体の景気回復が進めば、ドイツを中心とした自動車産業や航空宇宙分野の設備投資も回復し、ＤＭＧ森精機の事業拡大につながると考えられる。加えて、欧州の環境規制強化に伴い、省エネルギー型の高精度工作機械への需要が増すことも、同社にとって追い風となりそうだ。