株テーマ:間葉系幹細胞の関連銘柄
間葉系幹細胞関連株。間葉系幹細胞は、神経や血管など様々な体の器官に変化する能力を持った細胞。皮膚など体の一部から採取する体細胞やiPS細胞は、やけどした皮膚の再生や老化に伴う目の難病治療への活用などが期待される一方、幹細胞は筋肉や骨に関する怪我や脳神経、血管、中枢神経を修復することによる神経症候や機能障害の改善などに期待されている。
2015年9月には、JCRファーマのヒト間葉系幹細胞を利用した再生医療等製品「テムセルHS注」が製造販売承認を取得。ニプロと札幌医科大学が共同開発した脊髄損傷を対象とする自己骨髄間葉系幹細胞は2019年から細胞医薬を製造。300億円を投資した新たな細胞施設を2022年に稼働させる計画。富士フイルムは軟骨や半月板損傷などを対象に参入。アステラス製薬は細胞医薬の開発・製造のために国内外の3拠点に300億円を投資した。
ジェイテックコーポレーションは、2024年2月にCellPet 3D-iPSによる3次元回転浮遊培養システムで、ヒト間葉系幹細胞スフェロイドの形成に成功したと発表した。
リプロセルは、2023年5月に間葉系幹細胞を用いた再生医療等製品製造のための製造受託サービスの提供を開始すると発表した。
ロート製薬は、2015年6月に沖縄県に再生医療の研究拠点を開設すると発表した。間葉系幹細胞を人の脂肪から抽出して培養する細胞医薬品を研究し、内臓疾患などの治療向けに実用化する。また、2016年8月には、大阪大学と間葉系幹細胞を活用した心不全や肝硬変の治療を目的に共同開発を開始。2017年1月には、従来手法より製造原価を3割近く低減できる間葉系幹細胞の自動培養装置を開発した。
カネカは、2014年9月に国立循環器病研究センターと再生・細胞関連事業を開始。羊膜由来間葉系幹細胞を使用し、急性移植片対宿主病とクローン病を対象とした治験を実施。2022年に細胞製剤の製造・販売承認を取得。2037年に1000億円規模の事業を目指す。
ジーンテクノサイエンスとアインHD、北洋銀行は、2017年7月に幹細胞治療を事業化することを目的に再生医療ベンチャー企業を設立。糖尿病性腎症の自己骨髄間葉系幹細胞を用いた治療法の実証研究を行う。安定した細胞製造体制の整備や効果的な治療法を確立し、再生医療等製品としての承認取得、上市を目指す。
再生医療スタートアップのヒューマンライフコードは、2020年4月に国産のさい帯を原材料とする間葉系幹細胞の医薬品化に向け、ロート製薬とアルフレッサHDと資本業務提携した。白血病の治療時に起こる合併症治療薬の開発を目指しており、ロート製薬が薬を製造、アルフレッサが配送を担う。2023年の製造販売承認申請を目指す。
ステムリムは、栄養障害型表皮水泡症を対象とした骨髄間葉系幹細胞動員医薬「KOI2」を開発している。
武田薬品工業は、他人の脂肪から間葉系幹細胞を採取して培養し、液状の薬剤として患部に注射する細胞医薬「ダルバドストロセル」を開発。腸などに原因不明の炎症や腫瘍ができる難病であるクローン病向けに2021年度の承認取得と生産開始を目指す。大阪工場に約10億円を投資し、年600~700人分の生産体制を整備。国内患者数は4万人を超えるとされる。また、血液がんを対象とする細胞医薬も開発中で、2021年度に最終の臨床試験入りを見込む。
再生医療関連のセルソースは、2022年4月19日、化粧品配合原料としてヒト間葉系細胞由来エクソソーム「セルソース Exosome」を開発した。エクソソームは生体の細胞より培養中に分泌される物質で、皮膚に対し様々な働きを促す機能を持ち、肌のコンディションを整えるなどの効果が見込まれることから、美容分野において注目を集めている。