株テーマ:カーボンナノチューブの関連銘柄
カーボンナノチューブ関連株。炭素原子がチューブ状に連なる炭素素材で、EV(電気自動車)用モーターの素材として活用が期待されている。国立研究開発法人物質・材料研究機構は、リチウム空気電池の空気極材料にカーボンナノチューブを採用することにより、従来のリチウムイオン電池の15倍に相当する極めて高い蓄電容量を実現した。現状のリチウムイオン電池は、小型で高電圧、長寿命という優れた特性があるが、蓄電容量はほぼ限界に達している。リチウム空気電池はあらゆる二次電池の中で、蓄電容量の劇的な向上と大幅なコストダウンが期待できる切り札。
空気極材料にカーボンナノチューブを使用することで高い蓄電容量が実現されたことの説明が困難で、今後の空気電池開発に議論を巻き起こす可能性がある。カーボンナノチューブの新しい用途としても注目される。また、カーボンナノチューブは、リチウムイオン電池の電極材料として研究が進んできたが、近年はシリコンに代わる半導体素子としても注目されている。
矢野経済研究所によると、カーボンナノチューブの世界出荷量は2020年の3265tから2025年に11209tと約3.4倍に増加する見通し。自動車の電動化の加速でリチウムイオン電池の導電助剤用途の需要が世界市場を牽引する。
朝日ラバーとGSIクレオスは、2022年1月にGSIクレオスの独自開発品であるカップ積層型カーボンナノチューブを分散したシリコーンゴムを共同開発し、高い伝導性と最適硬度の両立に成功したと発表。自動車向け部材に採用され、2022年春から納入を開始する。
保土谷化学工業は将来の主力事業と位置づける。光村印刷はカーボンナノチューブを透明導電膜に応用する。