株テーマ:グラフェンの関連銘柄
日本と欧州連合(EU)は2024年4月に、次世代技術に必要な先端材料(の開発で連携する新たな枠組みを設ける。EV向けの新型電池と期待されるナトリウムイオン電池などのほか、グラフェンも重要材料にあげた。
グラフェンは、電気伝導性、機械強度に非常に優れる材料で、鋼鉄の200倍もの強度があり、髪の毛の100万分の1も薄いと言われる。
グラフェンは炭素原子が六角形格子状に並んだ単層シート状の物質である。その優れた性質から、電子デバイス、医療、エネルギー、環境など、様々な分野で革新的な技術開発に役立つ素材として注目を集めている。
高い電気伝導率: 銅よりも高い電気伝導率を持ち、高速で効率的な電子デバイスの開発に役立つ。
高い機械強度: 鋼鉄よりも強度が高く、軽量で丈夫な材料として様々な用途に活用できる。
高い透明性: 可視光だけでなく、赤外線や紫外線も透過する透明性を持つ。
高い熱伝導率: ダイヤモンドよりも高い熱伝導率を持ち、熱効率の高い電子機器や熱交換器の開発に役立つ。
東レは、2016年に安定して分散可能なリチウムイオン電池用グラフェン導電助剤を開発した。リチウムイオン電池の高出力化・高容量化を実現することが可能となる。カネカは、2015年に多層グラフェンの開発に成功し、大型粒子加速器のビーム形状測定センサー材料として実用化した。積水化学工業は、2015年にグラフェンライクカーボンを配合した強化樹脂シートとポリオレフィンフォームからなる積層シート「高剛性軽量樹脂シート」を開発した。「高剛性軽量樹脂シート」は、熱可塑性樹脂を主成分としているため、炭素繊維強化樹脂やガラス繊維強化樹脂と異なり、通常のプラスチックスと同様に、プレス成形などの熱成形が容易。
ADEKAは、2015年に東京大学研究グループが開拓した「グラフェンの製造技術に関する特許」の独占ライセンスを取得し、グラフェンの本格的なサンプル提供を開始している。田岡化学工業は、2019年6月に名古屋大学とナノグラフェン・グラフェンナノリボンの製造方法に関する共同研究契約を締結した。グラフェンナノリボンはシリコン半導体を超える半導体特性や透明性・柔軟性があり、次世代材料として注目されている。
アンリツ先端技術研究所が、水素プラズマエッチング技術を用いた、グラフェンのナノスケール微細加工技術の確立に成功した。