株テーマ:メタン(メタネーション)の関連銘柄
メタネーションは、二酸化炭素と再生可能エネルギー由来の電力で、水素を作り、都市ガスの主成分であるメタンを製造する仕組み。経産省は2021年6月、二酸化炭素と水素を合成させて都市ガスの原料となる合成メタンを作り出す「メタネーション」の官民協議会を立ち上げた。メタンは合成の段階で二酸化炭素を取り込んでいるため、ガスを燃やしても二酸化炭素の排出量を相殺でき、実質ゼロとみなすことが可能で、脱炭素の有効手段とされている。都市ガスを燃やした際に出る二酸化炭素は、日本の排出量全体のうち8%を占めており、政府は2030年に都市ガス全体の1%以上を合成メタンから作り出す目標を掲げた。
東京ガスと大阪ガスは、2022年12月にNEDOのグリーンイノベーション基金事業において、メタネーション技術の社会実装に向けた検討に助言を受けるため、共同委員会「革新的メタネーション技術社会実装検討委員会」を設置。水素とCO2を原料としたメタネーションにより製造されるe-メタン普及に向けた大幅なコストダウンを進めるため、研究開発を進める。2024年度までに検討結果をまとめ、高効率の製造方法を確立する。
大阪ガスは、水素と二酸化炭素(CO2)から都市ガスを製造する「メタネーション」の試験設備を大阪市内に建設する。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「グリーンイノベーション基金事業」で、従来の都市ガスの既存インフラで都市ガスの主成分であるメタンを製造する技術に加え、再生可能エネルギーにより、水素と二酸化炭素を電気分解し、水素や一酸化炭素を生成し、メタンを合成する。2025年の稼働開始を目指す。
東京ガスは、2022年3月に太平洋セメントとセメント製造工程から回収される高濃度CO2を原料として合成されるメタンを都市ガスインフラで供給するメタネーション事業の実現可能性調査を開始した。
日立造船は、2021年7月7日、東京ガスからメタネーション装置を受注したと発表した。東京ガスは横浜テクノステーション内にメタネーション装置を設置し、2021年度内に実証試験を開始する予定。
三菱マテリアルは、メタネーションの実証実験を2022年1月に開始した。IHIはメタネーション技術の試験装置を開発して実証運転を開始する。
国際石油開発帝石(INPEX)と日立造船は、二酸化炭素と水素からメタンを合成する試験設備を完成させ、カーボンリサイクルに取り組んでいる。日本と中国は、二酸化炭素を再利用するカーボンリサイクルで連携する方針で、中国国内に世界最大級のメタン製造設備を建設する。日立造船も新プラントの建設を検討している。
日揮HDは、2022年9月にインドネシアのアンモニア製造会社PAUとメタンを含む温室効果ガス(GHG)の排出量測定を実施することで合意。2022年11月~12月に実施する。