ＤＩＣは、PFAS（有機フッ素化合物）を使わない半導体向け材料を開発した。フォトレジストの添加剤としての界面活性剤は、フォトレジストの表面張力を下げ、塗膜の形成を改善し、感光剤の分散を改善し、露光時のパターン形成を改善することができる。界面活性剤は、フォトレジストの特性を向上させる重要な添加剤だが、半導体やディスプレーなどの分野ではほとんどフッ素系が占めている。欧州ではPFASの使用を規制する議論が出始めており、米環境保護局（ＥＰＡ）は、有機フッ素化合物PFASの飲料水の有機フッ素化合物基準を厳格化するなど、幅広く規制されている。

ＤＩＣはフッ素を使わず、平滑な薄膜を形成したりする性能で従来品を超える性能を実現した。欧米勢が高いシェアを持っているが、環境への意識が高い欧米企業に代替品を提案し、2030年に売上高50億円を目指す。