昨日、ノベルクリスタルが次世代素材の酸化ガリウムを用いた世界最高耐圧品の開発に成功したと報じられ、株テーマ「酸化ガリウム」が急上昇。タムラ製作所は本日もストップ高買い気配となっている。パワー半導体関連に注目が集まり「窒化ガリウム」もランキングが急上昇した。そこで株テーマ「酸化ガリウム」「窒化ガリウム」から本日株価が上昇している注目の3銘柄をピックアップした。


●5381Mipox
株価は本日2.55％高の604円となっている。Mipoxは次世代パワー素子向け化合物など微細表面加工の液体研磨剤大手。3月30日には、民活型オープンイノベーション共同研究体つくばパワーエレクトロニクスコンステーレーション内に設立された材料分科会で、民間企業17社、公的機関3機関と連携し、次世代パワー半導体用炭化ケイ素ウエハーの新しい量産技術の確立を目指した大型共同研究を開始したと発表している。

なお、経常利益は2021年3月期は3.01億円で、2022年3月期は16.2％増の3.5億円を計画していることから、成長も期待される。


●4188三菱ケミカルホールディングス
本日株価は3.06％高の935.2円となっている。窒化ガリウム関連では、2021年5月18日に日本製鋼所と共同で窒化ガリウム単結晶基盤の量産に向けた実証設備を日本製鋼所の室蘭製作所構内に竣工したと発表した。2021年度にかけて4インチのGaN単結晶基盤の量産に向けた実証実験を行い、2022年度初頭からの市場供給開始を目指すとしている。

三菱ケミカルHDは2022年3月期のコア営業利益を2300億円を計画している。2020年3月期は1948億円、2021年3月期は1747億円まで落ち込んだが、今期は2020年3月期以上まで回復する見通し。


●6844新電元工業
本日株価は2.65％高の5040円となっている。昨日、ノベルクリスタルが次世代素材の酸化ガリウムを用いた世界最高耐圧品の開発に成功したことから関連株が上昇しており、ノベルクリスタルテクノロジーに出資していることが昨日に続き1つの材料となっていると考えられる。また、窒化ガリウム関連では、大容量で高速安定動作を可能にするGaNパワーモジュールの開発をおこなっている。

新電元工業の経常利益は、2020年3月期が15億円、2021年3月期が▲11億円で、2022年3月期は42億円を計画しており増益となることが期待される。