株テーマ:LiDAR(ライダー)の関連銘柄
LiDAR(ライダー)は「電波」の代わりに「光」を使ったレーダーで、物体の検知や、物体までの距離測定をする。電波よりもはるかに精密で、高速道路の自動運転では必要ないが、一般道では必須のアイテムとなる。複数台搭載すると見られ、コスト削減が課題。独コンチネンタルなど自動車部品大手や世界のベンチャー企業が、メインプレーヤーで日本勢の奮起が期待される。
ライダーの世界市場規模は30年に79億4000万ドル(約1兆2000億円)と、23年比で3.4倍に拡大する見通し。
浜松ホトニクスは、2022年10月に光半導体素子の製造技術を応用し、セルフバイアスジェネレータを一体化した産業用LiDAR向けアバランシェ・フォトダイオード(APD)アレイ「Dain Stabilized Si APD S16430-01CR」の開発に成功したと発表した。光の信号の増倍率を固定できるため、温度変化に応じて増倍率を調整するためのマイコンや温度センサなどが不要となる。信号処理回路のトランスピーダンスアンプを同一パッケージに内蔵していることから、自動搬送車に搭載するLiDARモジュールの低コスト化を実現できるとしている。2022年10月末からサンプル提供を開始し、2023年4月に量産を開始する予定。
小糸製作所は、ADAS・自動運転向けLiDAR製造の米セプトン・テクノロジーズの株式を2022年2月に取得、2022年2月に追加出資を行い、中距離用LiDARの実用化にこぎ着けた。2022年6月には新たに短距離・長距離用LiDARの開発で協業すると発表した。また、2019年から独ブリックフェルドと自動運転用LiDAR内蔵ランプを共同開発。2017年には米クアナジーのLiDARをヘッドランプに内蔵した自動車ヘッドライトの概念設計で協業している。
今回は、セプトンが持つ特許技術を使うライダーを量産する。車内のルームミラー周辺に装着するタイプで、おおよそ200メートル前方までを測定できる。
キヤノンとパイオニアは、レベル3以上の自動運転のキーデバイス「3D-LiDAR(ライダー)」センサーを共同開発する。パイオニアは2020年以降の量産化を目指し、小型・低コストの3D-LiDARを開発しており、高精度な「物体認識アルゴリズム」および「自車位置推定アルゴリズム」の開発を行っている。キヤノンが保有する光学の先進技術とノウハウを加え、開発を加速する。
東芝は、2020年7月にレベル4以上の自動運転実現に貢献するLiDAR向け受光技術を開発。従来の4倍となる200メートルの距離測定を達成した。2022年度までの実用化を目指す。また、2021年6月にはソリッドステート式LiDAR向けに最長測定距離200mを保ったまま、世界最小サイズと世界最高の解像度を実現する受光技術・実装技術を開発した。集中豪雨時の斜面崩壊や道路などへの土砂流入、突風による道路などへの落下物検知など、屋外への常時設置が必要となるインフラ監視への適用も可能になる。
ソニーグループは、車載LiDAR向け積層型SPAD距離センサー「IMX459」を商品化。サンプル出荷は2022年3月を予定する。
ニコンは、2018年に米ベロダイン ライダー社に27億円を出資した。ベロダインはLiDARの世界大手で、フォードや百度も出資している。2019年にはLiDARの受託生産契約を締結し、仙台ニコンが量産する。
オムロンは、2017年10月に周辺短距離用3D-LiDARを、2018年9月に前方長距離用3D-LiDARを開発している。
電機メーカーの新規参入では、パナソニック、シャープ、京セラなど多数。