株テーマ：亜鉛の関連銘柄
日本の亜鉛業界の現状と主要企業の展望
亜鉛業界の概況
日本の亜鉛業界は、建設、自動車、電子機器など幅広い産業で重要な役割を果たしている。亜鉛は主に鉄鋼の防錆処理（めっき）や合金材料として使用されており、国内市場は世界経済の影響を受けつつも、安定した需要を維持している。
世界的には中国の供給量が多く、国際価格が変動しやすいが、日本国内ではリサイクル技術の発展により、資源の有効活用が進んでいる。特に脱炭素化の流れを受け、環境対応型の製錬技術やリサイクル技術の向上が求められている。
主要企業と動向
5707 東邦亜鉛
東邦亜鉛は国内最大手の亜鉛製錬企業であり、秋田製錬所を中心に国内外へ供給を行っている。リサイクル亜鉛の生産拡大に取り組んでおり、環境対応型製品の開発にも力を入れている。最近では、電池材料としての亜鉛の活用にも注力しており、新たな市場開拓が進んでいる。
5713 住友金属鉱山
住友金属鉱山は、銅やニッケルとともに亜鉛の製錬事業も展開している。特に、自社鉱山を持つ強みを活かし、安定した供給体制を確立している。近年は、電気自動車（EV）関連の需要増加を背景に、蓄電池材料としての可能性も模索している。
5706 三井金属鉱業
三井金属鉱業も亜鉛の製錬を手がける企業の一つであり、めっき用途の供給を強化している。同社は自動車向けの防錆材や、電子部品向けの特殊亜鉛製品を展開しており、技術開発にも積極的だ。
市場の課題と今後の展望
日本の亜鉛業界は、中国の生産動向や国際価格の変動に大きく左右されるため、安定供給の確保が重要な課題となっている。また、環境負荷低減の要請が強まる中、リサイクル技術の発展や新たな用途開発が求められる。電池材料や新たな防錆技術の開発が今後の成長の鍵となるだろう。
