株テーマ:洋上風力作業船(SEP・HLV)の関連銘柄
洋上風力作業船(SEP・HLV)関連株。洋上風力発電施設の建設工事市場は5兆円超と試算されており、清水建設はトップシェアを目指すとしている。
●大型基礎施工船(HLV)
日本における洋上風力発電は、主に着床式洋上風力発電の整備が港湾地域で進められているが、2027年度以降には一般海域において建設工事が本格化する見込み。一般海域のプロジェクトでは、風車の大型化に伴い基礎のモノパイル重量も増加し、SEP船では基礎の施工が困難になることが見込まれるという。
五洋建設は、15MW~20MWクラス風車を施工するため、世界最大級の5000t吊全旋回クレーンを搭載した大型基礎施工船(HLV)を建造する。芙蓉総合リースと共同保有し、建造費は1200億円。五洋建設の投資額は600億円。完成は2028年3月を予定する。
●SEP船
SEP船は、着床式洋上風力発電の建設工事に欠かせない作業船。世界のSEP船は7割以上をオランダのGustoMSCが占めており、クレーンもオランダのHuisman製を採用する。オランダの風車の伝統が活きているようだ。(1803)清水建設も世界最大級の搭載能力とクレーン能力を備えた、高効率の自航式SEP船を建造している。投資額は500億円で、完成は2022年10月の予定だが、これもGustoMSCが協力している。
五洋建設は、SEP船では2018年に800t吊クレーンを搭載した「CP-8001」、2023年に鹿島建設・寄神建設と共同保有の1600t吊の「CP-16001」を建造。2027年にベルギーのDEME Offshoreが保有する「Challenger」を1600t吊にアップグレードし、2027年から稼働させる予定。
さらに(1802)大林組と(1885)東亜建設工業も2023年4月の完成を目指してSEP船を建造している。