株テーマ:事業承継(後継者問題)の関連銘柄
事業承継の現状と関連銘柄
後継者不足が深刻化、日本経済への影響とは
日本の中小企業における事業承継の課題がますます顕在化している。中小企業庁の調査によると、経営者の高齢化が進む一方で、後継者不在の企業は全体の約60% に達しており、2025年までに127万社が廃業リスクに直面するとされている。この流れは、地方経済の衰退や雇用の喪失を引き起こす懸念が強まっている。
後継者不足の主な要因は、経営のリスク回避、親族内承継の減少、M&Aのハードルの高さ などが挙げられる。特に、少子高齢化の影響で親族内での承継が難しくなり、第三者への事業承継(M&A)が増加している。しかし、M&Aには時間とコストがかかり、資本力のある企業や投資ファンドによる買収が進んでいるのが現状だ。
事業承継関連銘柄
こうした中、M&A支援や事業承継コンサルティング を手がける企業への注目が高まっている。
1. M&A仲介・支援関連
2127 日本M&Aセンター:中小企業向けのM&A仲介を手掛け、後継者問題の解決に貢献。成約件数で業界トップクラス。
2170 リンクアンドモチベーション:組織開発や人材戦略コンサルを提供し、事業承継後の経営支援を強化。
6080 M&Aキャピタルパートナーズ:事業承継のM&A支援に特化し、大型案件にも対応。
2. 承継後の経営支援関連
9716 乃村工藝社:事業承継後のブランド再生や店舗デザインを手掛け、経営刷新をサポート。
4381 ビープラッツ:サブスクリプション型ビジネスを支援し、承継後の新たな収益モデル構築に貢献。
3. 事業再生・MBO(経営陣による買収)関連
8591 オリックス:事業再生ファンドを運営し、後継者問題を抱える企業の再生を支援。
8316 三井住友フィナンシャルグループ:MBOや事業承継ファイナンスを提供し、経営の安定化に寄与。
今後の展望
政府は事業承継税制の優遇措置 を拡充し、親族内承継を促進する動きを見せているが、後継者問題の解決には時間を要する。今後はM&A市場の活性化 に加え、企業の継続的な成長を支援するサービスの充実が鍵となるだろう。事業承継関連銘柄への関心は今後も高まり、業界の再編が進む可能性がある。