株テーマ:航空機アフターマーケット(MRO)の関連銘柄
航空機アフターマーケット事業(MRO)関連株。MRO事業は、航空機が製造・販売された後の修理・整備・部品供給・改修等のサービスで航空機の安全性や運航効率の維持・向上に欠かせない事業。
世界の民間航空機需要は、新興国を中心とした航空旅客数の増加とLCCの台頭による路線拡大で、2018年の2万6000機から2038年には約2倍の5万1000機となることが見込まれている。これに伴い、民間航空機のMRO事業ニーズが高まっており、市場規模は2018年の約774億ドルから2028年には約1150億ドルに達すると予測されている。
IHIは、2030年度の目標で民間エンジン事業全体で売上収益4500億円規模を目指す。アフターマーケットについては、市場稼働しているエンジン総数が増えることでスペアパーツや整備修理ニーズが高まり、エンジン本体以上にアフターマーケットの売上はさらに拡大。収益面では、アフターマーケットの方が利益率が高いため、売上以上に利益成長を期待することができるとしている。
川崎重工は、2024年11月に民間航空エンジンの整備事業に参入すると発表。2026年度までに70億円を投資し、「PW1100G-M」エンジンのメンテナンスやオーバーホールを開始。2031年までに年間50台以上のエンジン整備を目指す。
JALと三菱重工は、2024年8月に航空機のアフターマーケット事業などで共同検討すると発表した。
丸紅エアロスペースと新明和工業は、ビジネスジェットの機体整備事業を行う新会社JAMSを設立し、2024年4月から中部国際空港を拠点に機体整備事業を開始。ビジネスジェットに特化した国内最大級の整備会社を目指す。
スカイマークは、2022年9月にMRO Japanと航空機に関する整備基本契約を締結。今まで海外企業に委託していた航空機の整備作業をMRO Japanにも委託可能になる。MRO Japanの主な株主構成はANAHDが45%、三菱重工が20%。
豊田通商は、2019年11月に航空機の機体・エンジン向け装備品MRO事業を行う英AJWと販売代理店契約を締結。日本のMRO市場におけるネットワークを確立し、AJWグループの幅広いサービスを日系エアライン向けに提供する。