株テーマ:車載電池リサイクルの関連銘柄
車載電池リサイクル関連銘柄。車載電池の需要は約10年とされるが、車載用ではなく、家庭用としては十分な能力があり、さらに5年から10年は使える。電気自動車(EV)の広がりで増えた使用済み車載電池を引き取り、相互接続で大型蓄電池に加工し、風力や太陽光など再生可能エネルギーの運用のために活用する動きなどが出始めている。
日本では、2030年代から廃棄が本格化するとみられている。廃棄量は2030年に約15万台分で、廃棄される電池に含まれる資源量は2万トン弱に達するとの試算もある。EUのリサイクル規制では、使用済みEV電池から2027年までに50%、2031年までに80%のリチウムなどを再資源化するよう求めている。
日本総研は、2024年10月にEV電池の循環経済を国内で実現することを目指し「EV電池スマートユース協議会」を設立した。EV電池の循環利用を加速させる規格・指標づくり、技術の社会実装に向けた実証支援などを行う。日本総研はEV電池のサーキュラーエコノミーの国内市場規模が2030年に6000億円、2050年に8兆円規模に成長すると予測している。
日本化学産業は、福島県いわき市にEVの使用済み二次電池の金属リサイクル事業に向けたパイロットプラントを建設する。投資額は31億円。着工は2024年度中で、完成は2026年3月を予定する。
トヨタ自動車は「モビリティーカンパニーへの変革」を掲げる。MaaSやシェアリングでの活用などを見越し、電気自動車(EV)の充電や保険などの周辺サービス、リース、中古車販売、電池のリサイクルなどを含めたビジネス構築に乗り出す。
三菱マテリアルは、2025年度にEVなどの使用済みリチウムイオン電池からレアメタルをリサイクルする事業に本格参入する。2030年度をめどに処理能力を年6000トンに高める。
東レは使用済みのリチウムイオン電池から希少金属(レアメタル)のリチウムの80%以上を回収・利用できる新技術を開発する。2028年3月期までに実用化を目指す。