（6762）TDKは、車載向け積層セラミックコンデンサー（MLCC）で、同サイズ従来品比2倍となる静電容量10μFの新製品を開発し、4月から量産を開始した。新製品は3225サイズ（3.2×2.5×2.5mm）で、定格電圧100V品としては業界最大の容量を実現している。これにより、電動車の基板小型化や部品点数削減が可能となり、車載電子機器の高機能化・省スペース化ニーズに応える。

背景には、xEVの普及や車載電装品の高機能化に伴う電力消費増加、48Vバッテリーシステムの拡大がある。従来、同容量を実現するにはより大型のMLCCが必要だったが、今回の新製品では材料選定や設計最適化により、同サイズで2倍の容量を達成。これにより、同じ静電容量をより小型の部品で実現でき、実装面積や部品点数を半減できる。

生産は日本国内で月産100万個規模から開始し、日本・欧州・アジアの自動車メーカー向けに供給する計画だ。今後もラインアップ拡充を進め、車載市場での競争力強化を図る方針だ。

MLCCは車載電子機器の電圧安定化やノイズ除去に不可欠な部品であり、今後も電動化・自動運転化の進展とともに需要拡大が見込まれる。