（6838）多摩川ホールディングスは、再生可能エネルギー事業を担う子会社「多摩川エナジー」内に「系統用蓄電所事業調査・検討準備室」を設置し、新たに系統用蓄電所事業への参入を目指すと発表した。同社はこれまで太陽光や風力、小水力発電など再生可能エネルギーの普及に注力しており、今回の取り組みはその延長線上にある。

系統用蓄電所は、再生可能エネルギーの普及に伴う需給バランスの課題を解決するために重要な役割を果たす。特に太陽光発電などの出力変動を平準化し、安定的な電力供給を実現するためには不可欠だ。多摩川ホールディングスは、この分野でのビジネスモデル構築や開発候補地の選定、システム設置などの準備を進める方針だ。

国内では、政府が掲げる「第7次エネルギー基本計画」に基づき、2040年までに再生可能エネルギーの発電量を2022年比で約2倍以上に拡大する計画が示されている。この中で、系統用蓄電池の導入が鍵となり、多摩川ホールディングスもその成長市場での競争力強化を目指している。

同業他社でも、アジア航測が北海道で系統用蓄電池の「南幌蓄電所」を建設し、営業運転を開始するなど、系統用蓄電所事業への参入が相次いでいる。