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    クリスタル・インテリジェンスの収益化が実現するこれだけの理由
    ソフトバンクグループ1社でクリスタル・インテリジェンスに年間30億ドル(4,500億円)を負担する。この数字が一人歩きして、過大な投資との見方があるが、グループ企業に振り分けていくと採算性が見えてくる。

    ソフトバンクグループの関連会社(2024年3月末現在)
     子会社数 1,254社
     関連会社数 571社
     共同支配企業 27社
     従業員数 255人(連結ベース65,352人)

    単純に4500億円を企業数(1852社)で割り算すると、一社あたりの負担額は約2億4300万円となる。月額に直せば約2000万円である。

    クリスタル・インテリジェンスの中核目標は、企業が数十年かけて構築した「知的資産」をAIが継承・発展させるプラットフォームを確立することだ。ソフトバンクGとOpenAIが共同開発するこのシステムは、企業の基幹システム解析(全2500システム対応)から自律的な業務判断までを包括的に担う。

    具体的には、退職者や異動者のノウハウをAIが継承し、長期記憶を定着させる。30年前のCOBOL製システムを最新言語へ自動変換し、ソースコード自動メンテナンス機能により、システム維持費を最大70%削減するなどのメリットがある。

    意思決定支援から業務自動化までを実現し、年間4,500億円投資で生産性30%向上を目指すことになる。その過程では当然余剰人員も生まれ、生産性が30%向上すれば3年で投資回収可能と試算している。実際に、(9434)ソフトバンクは、エントリーシート審査にAI判定導入で作業時間を75%削減(年間680時間→170時間)や、AIによる応答サポートでコールセンター平均応対時間を2倍加速するなどの、成果を出している。

    子会社でも従業員の数で、負担金額を割り出せば、十分に対応は可能だろう。SB OpenAI Japanが1,000人の専任チームで導入を支援することを考えれば、高い出費ではない。2月10日の決算会見で収益化シナリオが示されることになりそうだ。

    また、孫正義氏が2015年に取得した長期記憶関連特許が、同社のAI戦略の中核技術として注目される。

    特許技術の3つの柱
    ・感情マッピング技術
    会議の声のトーンや表情を250種類の感情指標に変換し、意思決定プロセスに反映。過去の交渉記録から「怒りの度合い」や「納得の表情」を数値化し、AIの判断精度を向上させる。
    ・記憶の時系列インデックス化
    企業が30年以上かけて構築した基幹システムのソースコードを年代別に分類。COBOLなどのレガシー言語も自動解析可能に。
    ・報酬連動型強化学習
    AIエージェントの行動に対して「組織利益の最大化」を報酬関数として設定。自律的に業務改善案を提案する仕組み

    これらの特許技術はクリスタル・インテリジェンスへ実装される見込みだ。2月10日の決算会見では、ArmのKleidiAIライブラリとの連携が注目される。半導体レベルで長期記憶処理を最適化し、処理速度を3倍に向上させる計画で、課題となるデータセキュリティ対策では、特許技術の「記憶の暗号化分散処理」が適用される見込みだ。

    AIインフラ事業の持続的競争優位性の根拠となるが、特許の有効期限まであと10年で、2026年以降のライセンス収益にどの程度寄与するかも注目だ。

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株式情報更新 (4月2日)


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