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    情報革命からAI革命へ - ソフトバンクG、スターゲートで相場の主役に
    オープンAIの2024年売上高は37億ドル(約5550億円)だが、損益は50億ドル(約7500億円)の赤字と推定されている。世界で個人有料会員は1100万人となり企業の利用者も100万人を超えているとされるが、まだこれっぽっちかと見るか、伸び率が大きいと見るかで評価が違ってくる。

    オープンAIは2019年から、マイクロソフトからの140億ドルや借り入れを含め計239億ドルを調達してきた。さらにオープンAIは新たな資金調達ラウンドで最大400億ドルを調達すると報じられている。ソフトバンクグループが最大250億ドル(約3兆8500億円)を追加出資する方向で、協議しているようだ。

    マイクロソフトは単独でオープンAIを支えることは出来ないと見て、当初契約を緩める形で、オラクルの参入を認めた。これはスターゲート計画を大きく推し進めることになった。既にオープンAIの企業価値は1570億ドル(23兆5500億円)に膨れあがっているが、その投資価値は未知数だ。

    創業時の「収益を追わない」ことを修正したことで、社内クーデターが起こり、サム・アルトマンは一時追放された。すぐに復職しており、今では営利企業主体の構造に変更するために、資金調達を進める方針を示している。トランプ政権にも物理的な援助(資金協力)を求めており、中東、インドにも積極的に働きかけている。

    最大400億ドルの資金調達に成功すれば、スターゲート計画に出資する190億ドルを保管することになるが、出資側のソフトバンクグループの財務懸念が高まってくる。アーム株の活用や、借入、起債も考えられるが、エクイティファイナンスの可能性も株価を抑えている可能性がある。

    ただし、スターゲート計画でのソフトバンクグループの役割は「財務面で責任を持つこと」であり、少なくとも今後4年程度の青写真は出来ていると見られる。孫正義の最終的な夢は、人類の叡智を遙かに超えるASI(AGIの次の超人工知能)をつくることだが、ビジネス上の算盤勘定も弾いていることだろう。

    ロボティクス、医療AIの実現に続いて、自動運転への参入も見据え、スターゲート計画以外でも積極的な買収を続けていることは見逃せない。ましてやトランプ大統領を巻き込んでスターゲート計画は米国の国家プロジェクトとなっている。全米にデータセンターを建設し、その電力需要を賄う発電施設も併設する構想は入り口に過ぎない。

    スターゲートは「株式市場の星を開く門」でもある。孫正義の構想実現力に期待したい。実現すれば、マグニフィセント・セブンの一角にも相当する評価を得るだろう。

株式情報更新 (2月23日)


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