（6674）GSユアサは、2028年度までに国内にある4つの自動車向け鉛電池工場に約100億円を投資し、生産体制を強化する。事業継続計画（BCP）の観点から、新車向け鉛電池を4工場全てで生産可能な体制を構築することで、災害などによる供給リスクを軽減する。

GSユアサは京都府に2カ所、群馬県、静岡県に自動車向け鉛蓄電池工場を保有している。同社は地震や台風などの自然災害に備え、どの工場が停止しても他の工場で代替生産が可能となる体制を目指している。これにより、供給途絶のリスクを最小化し、顧客への安定供給を実現する。

今回の投資は、既存設備の改良や新しい生産ラインの導入に充てられる見通しだ。新車向け鉛電池は、従来から自動車業界で重要な部品とされており、電動化が進む中でも補助電源や安全装置のバックアップ電源として需要が根強い。同社は、この投資を通じて競争力を高めるとともに、持続可能な事業運営を図る。

自動車産業では、電動化が進む一方で、鉛電池の需要も一定水準で維持されると見られている。GSユアサは国内外で鉛電池市場をリードしており、今回の投資は国内市場での優位性をさらに高める重要な一手となる。