クーグラー理事は、米国経済が雇用最大化と物価安定という二大目標に向けて大きな進展を遂げ、良好な状態にあると評価した。労働市場は引き続き堅調で、インフレは一時的な変動はあるものの2％目標に向けて持続可能な軌道に乗っているとの見方を示した。

2024年の経済成長率は、年初の予想を大きく上回る見込みだ。クーグラー理事は、この予想外の好結果の背景として、移民増加による労働力の拡大と生産性の急上昇の2つの重要な要因を指摘した。

年初には、雇用の伸びが予想以上に強かったが、年央にかけて労働市場の正常化が進んだ。失業率は1月の3.7％から6月には4.1％に上昇した。クーグラー理事は、この動きが最大雇用の目標と整合的かどうか注視していると述べた。

10月のPCE（個人消費支出）価格指数は前年比2.3％上昇、コアPCEは2.8％上昇した。クーグラー理事は、これらの数値が2％目標への道筋と整合的であると評価しつつも、「仕事はまだ終わっていない」と慎重な姿勢を示した。

FOMCは9月と11月に政策金利を引き下げ、中立的な水準に向けて政策を調整している。クーグラー理事は、今後の政策決定について、会合ごとに慎重に評価し、データや見通し、リスクバランスを注視すると述べた。

クーグラー理事は、現在の政策スタンスが二大目標の追求に直面する不確実性に対処するのに適切な位置にあるとの見解を示した。