注目銘柄

    注目銘柄 2024/11/2 08:13
    (7011) 三菱重工業 世界の軍需企業ランキングで20位前後に急上昇
    GPIは、日米両国が共同開発を進める最新の迎撃ミサイルだ。近年脅威が高まる極超音速兵器に対処するため、2021年に米ミサイル防衛局が開発を開始した。極超音速兵器は、マッハ5以上で飛翔し、通常の迎撃システムでは対処が困難だ。GPIは主に極超音速滑空兵器(HGV)への対処を念頭に置きつつ、極超音速巡航ミサイルの迎撃も視野に入れている。

    2023年8月に日米両国がGPIの共同開発を決定し、2024年5月にプロジェクト取り決めに署名した。開発には米国の大手防衛企業であるRTX社とノースロップ・グラマン社が参加していたが、性能やコスト、スケジュール、リスクを総合的に評価した結果、ノースロップ・グラマン社の提案が採用された。
    ノースロップ・グラマン社が提案したGPIは3段式のミサイルで、イージス艦からの運用を予定している。第1段から第3段のブースターで加速・上昇した後、キルビークル(破壊飛翔体)が切り離され、これにより目標を破壊する仕組みだ。

    防衛省は三菱重工業と560億4500万円で契約を結び、日本側が分担する部位の設計・製造を進めている。納期は2029年3月で、2030年代半ばの開発完了を目指している。GPIの開発は、日本の防衛産業にも大きな影響を与えている。三菱重工業は2027年3月期までに防衛宇宙事業の年間売上高を1兆円規模に倍増させる計画を発表した。これが実現すれば、同社は世界の軍需企業ランキングで20位前後に急上昇する可能性がある。

    一方で、米国の主要な防衛関連企業の株価も上昇傾向にある。ノースロップ・グラマンを含む大手防衛企業の株価は、中東情勢の緊迫化を受けて2022年以来の最高値を記録した。

    GPIの開発は、日米両国の防衛協力を強化するとともに、両国の防衛産業に新たな成長機会をもたらす可能性がある。しかし、巨額の開発コストを賄うだけの需要を開拓できるかという課題も残されている。

株式情報更新 (11月1日)


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