ＥＵＶ露光装置を世界で唯一実用化している蘭ＡＳＭＬが、三井化学とＥＵＶペリクルに関するライセンス契約を結んでいる。ペリクルは、半導体や液晶パネルの露光工程で、微細パターンが描かれたフォトマスクに塵が付着しシリコンウェハーやパネル基盤に結像することを防ぐために、フォトマスクのカバーとして使用される保護膜で、三井化学は旭化成のペリクル事業を買収し、フラットパネルディスプレイ（ＦＰＤ）製造時に使用する大型ペリクル（ＦＰＤペリクル）と、半導体製造時に使用される小型ペリクル（ＬＳＩペリクル）を取得した。

旭化成は、半導体向けのＬＳＩペリクルの生産能力増強を進め、先端品（液浸ArF）市場において市場シェアを拡大している。ＡＳＭＬなどが微細化を進めれば進めるほど、ペリクルの需要は高まってくる。ＡＳＭＬとのライセンス契約は注目に値する。