東芝は、英通信大手ＢＴとロンドンで世界初の量子暗号通信の商用向けメトロネットワークのトライアルサービスの提供を開始した。量子暗号通信は、理論上、絶対に解読されないとされている次世代の暗号技術で、セキュリティーの強化が求められる金融業界や安全保障などの分野で活用が見込まれている。共同で実証を進め、正式サービスに向けた課題の洗い出しなどを行う。

試験サービスはＢＴの光ファイバー回線を使い、東芝が量子暗号通信のシステムを提供する。大手会計事務所アーンスト・アンド・ヤングが最初の顧客として利用を予定している。東芝は量子技術のビジネスの拠点を日本および英国ケンブリッジに有し、量子暗号技術の開発や製造を行っている。英国政府は、量子対応経済の実現を戦略としている。