株テーマ:NAND型フラッシュメモリーの関連銘柄
NAND型フラッシュメモリは、不揮発性メモリの一種で、電源がなくてもデータを保持できる特徴を持つ。従来のフラッシュメモリと比較して、書き込みや消去が高速で、回路規模が小さく、コンパクトかつ低コストで大容量化が可能である。
2025年2月現在、半導体市場は回復基調にあり、主要メーカー各社は生産調整や技術革新を進めている。韓国のサムスン電子は、2024年4月に世界最先端となる286層のNAND型フラッシュメモリの量産を開始した。さらに、SK hynixは2024年11月に世界初の321層NANDフラッシュメモリの量産を開始し、従来の238層NANDと比較してデータ転送速度が12%、読み取り性能が13%、電力効率が10%以上向上したと報告している。
一方、日本の(285A)キオクシアホールディングスは、218層のNANDフラッシュメモリ技術を確立し、さらなる高層化技術の開発を進めている。同社は2025年2月14日に発表した2025年3月期の業績予想で、売上高1兆6,893億円、最終利益2,610億円、1株当たり利益484.3円と黒字転換を見込んでいる。
キオクシアと米サンディスクは、第10世代NAND型フラッシュメモリー技術の開発に成功した。新技術は、メモリーセルの積層技術をさらに進化させ、記録密度の向上と低消費電力化を実現する。これにより、高性能なデータセンター向けストレージやスマートフォン、AI関連機器の需要に対応する。
市場全体では、2024年第3四半期から価格下落が続いており、2025年第1四半期の契約価格は前期比15~20%の下落が予測されている。主要メーカーは生産調整を実施しており、サムスン電子は西安工場で10%以上の生産削減、SK hynixは10%の生産削減を計画、キオクシアも生産能力の調整を行っている。
しかし、AIサーバーやデータセンター向けの需要増加により、2025年後半には市場の回復が期待されている。特に、AI・機械学習分野での大容量ストレージ需要が高まっており、NANDフラッシュメモリの高性能化と大容量化が求められている。
トーメンデバイスは、DRAMやNAND型フラッシュメモリなどの半導体メモリを取り扱う半導体商社であり、これらの市場動向に注目している。