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    2025年、AGIは現実になるのか?—OpenAIのロードマップと未来像
    OpenAIのサム・アルトマンCEOが「2025年には汎用人工知能(AGI)が実現する」との予測を示した。この発言は、単なる楽観論ではなく、技術の進化に基づいた確信に近い。AGIとは、人間のように多様なタスクを理解し、遂行できるAIを指し、これが実現すれば産業界は根底から変わる。

    ・OpenAIが描くAI進化の5段階
    OpenAIAIの進化を5つのレベルに分類している。現在は「レベル2(推論者)」の段階にあり、2025年には「レベル3(エージェント)」に到達すると見ている。

    レベル1(チャットボット)—自然な対話が可能なAI(現行のChatGPTなど)。
    レベル2(推論者)—複雑な質問に論理的に回答できるAI(現在、この段階に近づいている)。
    レベル3(エージェント)—自律的にタスクを遂行し、意思決定が可能なAI(2025年到達予測)。
    レベル4(イノベーター)—新しい発明や解決策を生み出すAI
    レベル5(組織)—企業の意思決定や業務遂行を担うAI

    AGIへの道のりは技術的な壁が高いと考えられていたが、アルトマン氏は「エンジニアリングの問題に過ぎない」と述べており、技術進歩のスピードに自信を持っているようだ。

    AIエージェントの可能性と企業活用
    レベル3の「エージェント型AI」は、単なるワークフロー自動化とは異なり、目標達成のために自律的に判断し行動するのが特徴だ。従来の生成AIは文章や画像を作るのが主な役割だったが、AIエージェントは「実際にタスクをこなす」ことに特化する。

    具体的な活用例として、

     カスタマーサポートの完全自動化—24時間対応のAIオペレーターがFAQやトラブル対応を行う。
     医療分野での診断支援—患者データを分析し、医師の診断を補助。予約管理や簡単な健康相談にも対応。
     自動運転ドローン制御—リアルタイムの環境認識に基づき、移動・配送業務を遂行。

    企業にとって、AIエージェントは業務効率化やコスト削減の武器となるだろう。一方で、仕事のあり方が大きく変わることは避けられない。

    ・OpenAIの収益モデルと今後の展開
    現在、OpenAIの収益の約75%はChatGPT Plusなどのサブスクリプションから得られている。しかし、今後は収益構造が変わる可能性が高い。

     動画生成AI「Sora」の投入—動画生成技術の商用化による新たな市場開拓。
     API提供の拡大—GPT-4やDALL-Eなどのモデルを企業向けに提供し、収益化。
     カスタムAIアプリ開発支援—特定業務向けにカスタマイズされたAIソリューションを提供。

    特に、AIがビジネスの中核を担う企業では、カスタムAIの導入が加速すると予測される。

    AIの進化がもたらす未来—日本企業の立ち位置は?
    AGIが実現すれば、これまで想像もしなかった新しいサービスが生まれるだろう。例えば、投資判断を行うAI、企業戦略を策定するAI、完全自律型のロボットなど、実業務レベルでのAI活用が加速する。

    日本企業でいえば、AIのインフラ構築に強みを持つ(9984)ソフトバンクグループなどがその果実を得る可能性が高い。孫正義氏はAIの進化に強い関心を持ち、OpenAIへの投資や連携の可能性を探っているとされる。日本のテック企業は、この変化にどう対応していくのか。

    AGIの実現は、「遠い未来の話」ではなくなった。2025年、AIはどこまで人間に近づくのか——その答えは、すぐそこにある。

株式情報更新 (2月1日)


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