金融庁は、銀行間送金網「全国銀行データ通信システム（全銀システム）」で発生した障害を巡り、システムを運営する全国銀行資金決済ネットワーク（全銀ネット）に対して、資金決済に関する法律第80条第1項に基づく報告徴求命令を出した。また、システムを構築するNTTデータに対しても、同条第2項に基づく報告徴求命令を出した。全銀システムの障害は、2023年10月10日、三菱UFJ銀行やりそな銀行など10の金融機関で他行宛ての振り込みができない問題が発生したもの。2日間で255万件の送金手続きが滞った。

金融庁は、全銀システムの障害は、システムの設計や運用に不備があったことが原因とみている。全銀ネットとＮＴＴデータには、障害の原因や再発防止策などの報告を求めており、今後、調査を進めていく。全銀システムは、日本の銀行間送金の決済基盤として重要な役割を果たしている。今回の障害は、日本の金融システムに重大な影響を与えるものであり、金融庁は、再発防止に向けて、全銀ネットとＮＴＴデータに厳重な指導を行った。