日清紡 ＨＤは、ブレーキ摩擦材を手掛けるTMDフリクション・グループ（ルクセンブルク）の全株式をドイツの産業ファンド「エクイタ」に譲渡する。譲渡に伴い、380億円の特別損失を計上し、2023年12月期の最終損益が190億円の赤字に転落する。TMDフリクションは、ブレーキ摩擦材の最大手で、世界14カ国で事業を展開している。足元では原燃料高を価格転嫁できず、収益性が悪化し、3期連続で赤字となっていた。

また、水・河川情報システムなど無線分野の予算減により官公庁向け案件が減少している無線・通信事業や、スマホやパソコンの需要回復遅れにより民生品が低迷しているマイクロデバイス事業の売上が減少している。通期売上は5570億円から5360億円、営業利益は240億円から150億円、最終損益は180億円の黒字から190億円の赤字に修正した。