日本電産の永守重信会長兼最高経営責任者（ＣＥＯ）が10月に新経営体制を計画し、関潤社長兼最高執行責任者（ＣＯＯ）は退任する見通しと、報じられている。関氏には既に社内の重要な情報が共有されておらず、9月末までに退社する方針とされている。後任には、創業以来の古参幹部である小部博志副会長が昇格する見通し。日本電産は関氏の退任や新体制について決定した事実はないとしているが、日産自動車でナンバー３の副ＣＯＯまで務めた関氏が退任することで、後継者の確保が深刻な経営課題となっていることが、浮き彫りになった。永守氏は77才、小部氏は73才で幕間つなぎ的な人事の色合いが強い。

永守氏はこれまでも複数の後継候補を外部から招いたが、脱落する例が相次いでいる。車載事業の業績不振で株価が低迷していることへ、強い焦りがあるようだ。今後は、外部からヘッドハンティングした人材を社長に据えるのではなく、内部昇格を優先する方針とも伝わっている。