（3197）すかいらーくホールディングスが、店舗ポートフォリオの大胆な入れ替えを進めている。地方郊外の「ガスト」から「しゃぶ葉」などへの業態転換を積極的に推進し、収益構造の改善を図る戦略だ。

同社は、マーケットの変化に合わせた業態転換や店舗リモデルを推進している。2023年には41店舗の業態転換を実施し、約46％の売上効果があった。2024年第1四半期の業態転換では27店舗を実施し、38.6％の売上効果に加え、カニバリ解消効果も10.5％となり、転換店舗と近隣店舗のエリア全体の収益増に貢献している。

2024年10月に買収した九州発祥の「資さんうどん」の展開も、成長戦略の一環として注目されている。同ブランドは、うどんだけでなく豊富なサイドメニューや地域特有の味が特徴で、地元での支持が高い。すかいらーくHDはこのモデルを他地域にも広げ、2026年12月期から本格的な店舗網拡大に乗り出す計画を示している。

ただし、九州以外での知名度向上や競合との差別化が課題となる。既存の外食ブランドとシナジーを生む取り組みが成功すれば、全国展開の成功確率は高まるだろう。

「資さんうどん」の全国展開においても、地域特有の味が他地域の顧客に受け入れられるかが鍵を握る。すかいらーくHDは、収益基盤を多角化しながら成長を目指す道を選んだ。今後の動向次第で、外食業界の新たな成功モデルとして注目される可能性がある。