ＵＢＥは、電動車（EV）向けの軸受・基板用途を中心とする需要の急増に対応するため、宇部ケミカル工場内の窒化ケイ素製造設備の増設を決定し、2025年度下期に稼働予定で、生産能力は現行比で約1.5倍となる。ＵＢＥの窒化ケイ素は、独自のイミド熱分解法を用いて製造される高品位粉末で粒度が均一で不純物が少ない。自動車産業から航空機、電子産業、工作機械などの幅広い分野で様々な部品に用いられており、窒化ケイ素原料のグローバルスタンダードとなっている。

EVで使用されるモーター用ベアリングやインバータ用放熱回路基板向けでも高品位かつ実績豊富なＵＢＥの窒化ケイ素へのニーズが急増している。増設は2012年以来で、競合のデンカも25年に生産能力を1.5倍に増やす。世界の窒化ケイ素市場シェアは30％で、中国の50％に続く2位となっている。