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    2023/5/16 10:16
    (4471) 三洋化成工業 全樹脂電池開発の計画が挫折、経営方針の見直しを迫られる
    三洋化成工業は、2022年12月に持分法適用関連会社で全樹脂電池を手掛けるAPBの保有株式の一部をトリプルワンに譲渡した。APBの発行済株式の34.2%を譲渡し、議決権所有割合は10%となり、APBは持分法適用関連会社から除外された。

    APBは、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のグリーンイノベーション事業で、「次世代蓄電池・次世代モーターの開発」事業に採択されており、高容量全樹脂電池の開発で、EVの航続距離を決めるエネルギー密度を現行の約2倍の700~800Wh/リットル以上の性能を持つ蓄電池の実用化を目指していた。

    APB2021年に量産を開始としていたが、2023年3月時点でまだ実現していない。今は全樹脂電池の安定製造は出来るが、高速量産技術はまだ確立できていないようだ。「APB福井センター武生工場」では、現状は主にセル製造の整備が完了した段階で、2026年度の大規模量産化に向けて組み立て工程の整備を進め、一貫した高速製造ラインを設置する予定としているが、成功は見通せない。

    三洋化成は日本触媒との経営統合が破談となり、2025年には約1000億円を投じて全樹脂電池の年産能力数十ギガワット時級の次世代工場を計画し、25年には売上高900億円を見込んでいた。30年以降は約1兆円を投資し、マザー工場と同規模の工場を国内外に展開するという並々ならぬ意欲を示していたが、計画は頓挫したようだ。「2024年度営業利益200億円」の中期経営目標を「2025年度営業利益150億円」に引き下げており、全樹脂電池に注力する状況にはなさそうだ。

株式情報更新 (11月23日)


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