住友電気工業は、大型の設置式蓄電池「レドックスフロー電池」の新工場を北米に建設する。米国はで再エネ導入を進めており、2035年には北米の蓄電池だけで1兆円超の市場規模が期待されている。レドックスフロー電池は、電極を化学変化させるリチウムイオン電池と異なり、電極とバナジウムが電子をやりとりして充放電するため、充放電を繰り返しても電極が劣化しにくい。寿命は約20年とリチウムイオン電池の2倍で、風力など再生可能エネルギーの蓄電用途に向く大型電池となっている。

新工場は24年までの稼働を目指しており、日本や現地の企業から主要部材を調達し、新工場で組み立てて電力会社などに納入する。大阪製作所とあわせて生産能力は3倍程度になる見通しで、25年度ごろまでに年100億円の売り上げを目指す。住友電工は2001年にレドックスフロー電池を世界で初めて実用化した。