第一三共と英アストラゼネカは、2021年7月9日、「トラスツズマブ　デルクステカン」をHER2陽性の胃がんまたは胃食道接合部腺がん患者への二次治療を対象とした第3相臨床試験で、最初の患者への投与を開始したと発表した。一次治療後に病勢進行したHER2陽性の切除不能な胃がん又は胃食道接合部腺がん患者を対象に、有効性と安全性を比較するグローバル第3相臨床試験。日本を含む、アジア、欧州、南米で約490名の患者を登録する予定。

胃がんは世界で5番目に多いがんで、2020年は世界の新規患者は約100万人、死亡数は約77万人だった。HER2は、乳がん、胃がん、肺がん、大腸がんを含む多くの種類の腫瘍の表面に発現しており、胃がん患者の5人に1人はHER2陽性とされる。HER2陽性の切除不能な胃がんの一次治療は、化学療法とトラスツマブの併用が推奨されているが、投与後に進行した患者の治療の選択肢は限られている。

第一三共の株価は1.4％安の2237.5円で推移している。