株テーマ:不織布の関連銘柄
不織布は、繊維を3次元構造に重ねあわせ結合した多孔質のシートで、通気性・ろ過性・保温性が優れることから、紙おむつの材料等となる。ポリプロピレンを原料とするSBは紙おむつが主力用途で、紙おむつの肌が直接触れる部分に不織布が使われ、内部の吸収体に吸収される。お茶パックやお手ふきなどにも使用される一般的な素材だが、高機能化で紙おむつ用の需要が増加している。
三井化学は国内の不織布生産能力を2018年までに6000トン増強し、年産11万トン規模とする。タイでも通気性フィルムの生産能力を拡大している。ポリプロピレンSBの世界大手大手が東レで、韓国、中国、インドネシアの3拠点体制をもつ。三井化学と旭化成せんいもタイに進出している。ダイワボウは不織布に使う原綿の生産能力を増強する。
東レは、日本国内向けに、マスク用不織布の供給体制を強化する。現在は国内大手マスクメーカー向けに一月あたり3000万枚を供給しているが、世界の東レグループの生産設備を活用し、5月から6000万枚に拡大する。海外で紙おむつ向け不織布の製造ラインをマスク向けに転用する。国内も滋賀工場をマスク向け不織布生産設備に改良し、月産2000万枚を生産する。
一般的にマスクは、ポリプロピレンのメルトブローン布からつくる不織布が原料となっているが、フランスやドイツの大量発注で、不織布レベルで品不足になっている。不織布製造は用途別に製法が異なるため、紙おむつ用をマスク用に改造する必要があった。