株テーマ:量子メスの関連銘柄
政府は日本企業の医療機器輸出を支援し、成長戦略の柱に位置づけ。医療機器の輸出拡大に向けた産学官組織「メディカルエクセレンスジャパン」を2013年4月に発足し、連携を深めている。住友重機械は1998年に国内初となる陽子線治療システムを国立がん研究センターへ納入。住友商事は大阪大学と新型「ホウ素中性子補足療法(BNCT)」を開発。被爆を10分の1に抑え、副作用を軽減する。
東芝は「重粒子線がん治療装置」を韓国から2台受注している。納入までは3-4年を要する。
量子メスは、放射線による重粒子線治療の一種で、がんの病巣をピンポイントで狙い撃ちし、正常な細胞へのダメージを最小限に抑えられる。第4世代、第5世代の重粒子線治療装置を量子メスと呼んでいる。東芝エネルギーシステムズは、円形加速器に使う「超電導電磁石」を開発し、大幅に小型化した。病院にも設置できるサイズで、実機の製造を目指す。
住友重機械工業は、様々な種類のイオンの発生を高速に切り替えられる機器「レーザー加速」技術を開発した。旧世代の重粒子線治療装置は、日立も実用化している。
東芝エネルギーシステムズは、量子科学技術研究開発機構と「次世代超小型量子線がん治療装置(量子メス)実証機」の賃貸借契約を締結し、量子メス実証機向け超伝導シンクロトロン加速器の製造を開始した。実証機は世界最小の重粒子線がん治療装置となる。