オープンAIのサム・アルトマンCEOは2025年2月4日、韓国で3回目の公式訪問を実施し、AI分野での戦略的提携を加速させた。主な成果として、カカオとの共同開発協定が発表され、韓国市場向けAI製品の開発と既存サービスへの技術統合が進められる。特に、カカオのメッセンジャーアプリ「カカオトーク」へのChatGPT組み込みが具体化し、AI大衆化に向けた基盤整備が進んでいる。

半導体産業との連携では、SKグループの崔泰源会長と会談し、AI向け半導体供給網の強化を協議。サムスン電子では李在鎔会長やソフトバンクグループ孫正義会長と「スターゲートプロジェクト」に関する戦略会談を実施し、次世代AIインフラ構築に向けた協力関係を深化させた。

アルトマン氏は2月5日、インド・ニューデリーを訪問し、モディ首相や政府高官との会談を予定している。主な議題は以下の通り：

　著作権訴訟対策：インド通信社ANIを中心とした出版系企業からの訴訟対応
　市場拡大戦略：米国に次ぐ第2の市場であるインドでのAI技術普及計画
　低コストAIモデル開発：中国DeepSeekの台頭を踏まえた競争力強化

政府は「インドAIミッション」で12.5億ドル規模の投資を表明しており、アルトマン氏は低予算での大規模モデル構築の可能性について議論する見込み。

韓国訪問ではAI応用技術の実用化、インドでは法務リスク管理とコスト競争力が今後の焦点となる。特に、サムスン電子とSKハイニックスの半導体関連株は、AI向けHBM需要増加で中期的な成長が期待される。勿論、（9984）ソフトバンクグループとのスターゲート計画に係わる動きだ。