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    アーム、2025年CPU戦略で歴史的転換 - 高性能化と大幅値上げへ
    アーム・ホールディングスが2025年に向けたCPU戦略で歴史的な転換を図ることが明らかになった。同社は長年、省電力性能を強みとしてきたが、今後はPC向け高性能プロセッサ市場での競争力強化と大幅な値上げを軸とした新戦略を展開する方針だ。

    アームのクライアント事業部門トップのクリス・バーギー氏は、同社が既にIPC(命令実行サイクルあたりの性能)でリーダーシップを確立したと述べ、次なる課題として動作周波数の向上に焦点を当てる考えを示した。具体的には4GHz以上の動作周波数実現を目指し、最新の半導体製造プロセスに最適化された設計手法の確立に取り組むという。

    この戦略転換により、アームはAIワークロードの増加など、変化するコンピューティング環境に対応する狙いがある。同社は2025年に向けて、AIアクセラレーションや高性能コンピューティングに特化した新しいCPUコアの開発を進めている。

    一方で、アームは長期的な収益拡大策として、ライセンス料を最大300%引き上げる計画も明らかにした。この「ピカソ計画」と呼ばれる戦略は、今後10年間でスマートフォン関連の年間収益を10億ドル増加させることを目指している。

    値上げの中心となるのは、最新のArmv9アーキテクチャを採用した事前設計済みのチップコンポーネントだ。特に、高性能CPUと省電力GPUを組み合わせたCompute Subsystem(CSS)IPパッケージの提供が、この戦略の要となる。

    アームの新戦略は、同社の長年の低価格モデルからの大きな転換を意味する。しかし、市場の反応を見ながら段階的に実施される見通しだ。

    この戦略転換が成功すれば、アームはPCやデータセンター市場でのシェア拡大を実現し、半導体業界における存在感をさらに高める可能性がある。一方で、顧客企業との関係性の変化や、独自チップ開発の可能性など、新たな課題にも直面することになるだろう。

    2025年は、アーム・ホールディングスにとって重要な転換点となる年になりそうだ。

株式情報更新 (2月5日)


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